狸温の宝塚

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銀二貫

こんばんは。。。狸温でございます
本日2回目の更新です。


昨日と今日で、オンデマンドで雪組バウ公演「銀二貫」(谷先生演出)を観たんですよ。主演は月城かなとさん(現月組)とヒロインが有紗瞳さん(現星組)です。


 月城かなとさんは、武士の子供で、鶴之介という役柄です。
物語は、鶴之介(子役:彩みちるさん)が10歳の時から始まります。お父様お侍と鶴之介の前に、敵討ちだというお侍が現れます。お父様は、そのお侍に切られます。それを見ていた寒天問屋の主人(華形ひかるさま)が、火事で焼けた天神様に寄進するために集めた銀二貫を敵討ち侍に差し出し、この敵討ち銀二貫で買いたいと頼みます。ちょっとおお、許可を取った敵うちなんですかああと脅しもします。(もちろん、低姿勢で言葉ももっとオブラードに包んで)敵討ち侍は銀二貫を受け取り去って行きます。お父さん侍は亡くなり、鶴之介だけが生き残ります。


 ここまで、観た時は前知識がなかったので、きっと、鶴之介が成長して、立派なお侍になって、敵討ちの敵討ちでもするのかな~~っと思っていました。主演月城かなとさんというお侍が似合いそうなジュンヌさんだし。


 しかし、全く違いました。鶴之介が立派に生きて、立派な商人になり、恋い慕った「いとはん」をお嫁さんにもらう話でした。


 この敵討ちを買い取った寒天問屋のご主人と番頭はん(英真なおきさま)がとっても良い味出しています。


 寒天問屋のご主人は、鶴之介をすぐに自分の店に引き取ることもしません。大の男でも逃げ出すくらい寒くて辛い寒天場(天草から寒天を作るところ)に預けてしまいます。


 寒天場の様子は、舞台では出てきません。しかし成長した鶴之介(月城かなとさん)が寒天問屋にお使いにやってきて、そのまま寒天問屋に奉公することになります。そして名前チェンジです。鶴之介では丁稚奉公らしくないということで、名前は松吉にチェンジです。鶴吉にならなかったのは、以前寒天問屋に鶴吉という仕事のできない人がいて、縁起が悪いということでした。(確かに商店には縁起が悪い~)
 松吉は、小料理屋のお嬢さんの真秀(有紗瞳さん)に淡い恋心を抱いたりして、順調に物語が進みます。


 しかし、試練の時が、真秀の店の周辺が火事になり、真秀も真秀の父(松吉に良くしてくれる人)も行方不明になります。


 そうこうしているうちに月日が経過して、寒天問屋に寒天を卸していた伏見の寒天場(松吉が働いていたところ)が火事で店を閉めることになり、良質の寒天しか売らない主義の寒天問屋も経営の危機になります。


 しかし、松吉の機転で、松吉の兄職人がハラマチというところで、寒天場を始めたことを思い出し、そこから良質の寒天を仕入れられることになり、寒天問屋の危機が救われます。そして、真秀も火事から助け出されていて、テツという団子屋の娘として暮らしていました。真秀の父は火事で亡くなっていました。そして、団子屋のお母さんは、同じ火事で娘を亡くして、真秀をテツ(自分の娘)だと思い込んでしまったのです。


 そうこうしているうちにもっと話が進みます。敵討ちから19年経過します。寒天問屋のご主人と番頭はんは、天神様に寄進する銀二貫をとうとうためます。(番頭はんは火事で働いていた店と店の仲間を亡くし、寒天場で働いていた経験あり。天神さま銀二貫を寄進することにこだわりありです。)


 でも、ハラマチの寒天場が伏見の寒天場(再開した)の若旦那から嫌がらせにあい、天草(材料)が手に入らなくなります。
 ここでも、寒天問屋のご主人と番頭はんは、広くて大きな心を見せます。銀二貫を新しい仕入れ先を見つける資金として提供するのです。あんなに天神さまに寄進できるお金ができたことを喜んでいたのに。泣きそうになりましたよ。華形さまと英真さまの演技が光っています(涙)
 まあ、ハラマチの寒天場がうまくいって、3年後には天神様に念願の銀二貫を寄進することができました@@やった~~~~
そして、松吉と真秀ちゃんの結婚式です。


 華形さまと英真さまの「銀二貫でええ買い物(松吉の命)した。」「安い買い物でした。」で物語りの全てを語っていました。これをいうためのお芝居ですな
 
 何年も何年も恨みがましい敵討ちより、辛くてもきちんと生きていくということが大変で大切なことだということに気がつける~
 
良い話でした。

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